空き巣は盲点をつく

20代の頃に勤めていたお店の話です。
幹線道路沿いで車や歩行者の往来が激しい場所にある、10畳ほどの広さのお店でした。
店舗の入り口には電動シャッターがあり、お勝手口はガラスドアに
手動のシャッターがありました。
お勝手口の方は、力のある男に人ならこじ開けることも出来そうな
簡単な作りでしたが、隣接していたタクシー会社の駐車場があり
夜間でも人の出入りの多い場所でした。

そういう立地だったので、空き巣は入らないだろうと思っていました。
ところが、午後7時に退社して3時間ほど経った頃、店舗の大家さんから
電話がかかって来ました。
「お店のシャッターが上がったままだけど、大丈夫なの」と言います。
シャッターは間違いなく閉めて来たので開いているわけがありません。
嫌な予感を感じつつ、お店に行ってみると店内の電気は消えていましたが
シャッターが全開になっていました。

これは空き巣に違いないと思い、警察に電話をして来てもらいました。
警官が3人ほどで捜査し始め、電動シャッターの鍵の部分を指摘されました。
「ここがこじ開けられているよ」
見ると表の電動シャッターのフタの鍵の部分が破壊されていました。
まさか、車も人も通る表側から空き巣に入るなんて思いもしませんでした。
幸い、レジの売上金は抜き取られましたが保険を掛けていたので
全額返金されました。
レジも常に開けておくように指示されていたので、破壊されずに済みました。
それからは、外からシャッターを操作できないようにして、お店を閉めるときは
店内の操作キーから閉じるようにしました。

絶対にここからは侵入されないと思う場所ほど盲点になるのだと
痛感した出来事です。

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