ベランダの締め出し事故

小学生の頃の寒い冬の時期でした。 実家のマンションは15階建てでお隣には 80代のおばあちゃんと、その息子夫婦、孫娘が 住んでいました。 おばあちゃんが、ベランダで植物の植え替えをしていたときです。 ベランダのガラスには、レースのカーテンが掛かっていて 外の様子が確認できなかったようでした。 そんな状態だったので、孫娘が外出の際に うっかりベランダの鍵を閉めてしまったのです。 作業を終えたおばあちゃんは、部屋に入ろうとしましたが ガラスドアが開きません。 息子夫婦も仕事で留守、出かけた孫娘もいつ帰って来るか分かりません。 途方に暮れたおばあちゃんは、大声で階下の通行人に訴えましたが 15階のベランダからでは、声もかき消されてしまいます。 家の中で遭難してしまうと思ったようです。 そんなことは知らず、学校から帰宅した私は、洗濯物を入れようと ベランダに出ました。 するとか細い声で、「お嬢さん、お嬢さん助けて下さい」と 声が聞こえました。 柵越しに覗くと、おばあちゃんが座り込んでいます。 身体も冷えて生気を失っていました。 びっくりして事情を聞くと、鍵を掛けられて締め出されたとのことです。 急いで仕事中の母に電話をし、母が息子さんの会社に連絡してくれました。 息子さんは車を飛ばして戻って来てくれました。 その後、孫娘はこっぴどく叱られたようでかなり落ち込んでいました。 ベランダの鍵を閉める際は、必ず外に誰かいないか確認をして 閉めるようにしないと大事故に発展します。 何かの拍子で鍵が掛かることがあるなら、スマホなどを持って 作業した方が良いのかもと思いました。

鍵 北九州

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