真夏の鍵トラブル

数年前の夏の出来事です。私が自宅のアパートでゆっくり過ごしていると、玄関の方からガチャガチャという音がしました。「誰か来たのかな?」と思い、ドアスコープを覗いてみると、隣の家に住む小学生くらいの男の子が、私の家のドアノブをいじって遊んでいました。「何だ、子供がガチャガチャしているだけか」と思い、鍵は閉まっていたので特に気にもせず、部屋に戻りました。夕方くらいになって、インターホンが何度も鳴り響きました。ドアノブをガチャガチャする音も聞こえたので、何のことかと思いドアスコープを覗くと、同居人のA子が血相を変えて立っていました。急いで解錠してドアを開けると「これどうしたの?」と鍵穴の部分を指差しA子が一言。見てみると鍵穴の部分に、べったりとガムのようなものが貼り付いていました。急いで剥がそうと試みましたが、暑さのせいか鍵穴の奥まで溶けてしまい、剥がれそうにもありません。仕方なく大家さんに連絡をして見てもらうことにしました。ガムが貼り付いている鍵穴部分を見て大家さんは「ここの部屋もやられたのか」と言いました。何と私の部屋だけではなく、他にも被害にあった部屋が何ヵ所もあるというのです。私は「もしかしたら隣に住む男の子かもしれない」と思い事情を話し、大家さんに隣の家の人に話を聞いてもらうことにしました。その結果、男の子はもちろん男の子の親も「うちは関係ない」の一点張りで、一切否を認めようとはしませんでした。結局、鍵穴は大家さんのご厚意で直してもらいましたが、その後も隣の男の子のいたずらは止まず、私とA子は引っ越しをしました。

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